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ディープな世界の入り口か

どうしても好きなディープな世界。
一応、旭川ケーブルテレビのブログということで、
控えてはいるのだが、休日はあちこち回るのが趣味。
数ヶ月前に『北海道大観音』を強行的に連載したが、
ああいう場所が私のパワースポット。

最近は場末の酒場巡り。
札幌が中心なので、ココにはかけない。
だから『男山直営』なんかにかこつけて書いてる始末。

でも、今回のこれは、しっかり旭川。
よって旭川ケーブルテレビブログに書けるのでは。
って、全然取材の話もなく、いよいよ怒られそうだ。

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利用している人も多いのかもしれない。
しかし、圧倒的に『気になっていた人』のほうが多いだろう。
だから、勇気をだして行って来た。

場所は東警察署の向かい、ちょうどバス停の前だ。
野菜の無人販売は良く見かけるが、本とは奇抜。
しかも、この圧倒的な存在感。
不思議な世界の入り口のように、全ての人を受け入れている。

バスを待つ方が、その時間を利用して購入するのか。
買った本をバスで読む、理にかなっているのかもしれない。

それにしても、値段が安い。
100円の棚は大人気なのか、すっからかんだ。

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漫画だ。
色々な種類がある。
よくわからない漫画の6巻あたりから読むのはどんな気分だろう。
ディープな世界が広がってきたぞ。

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司馬さんの文庫本がズラリと並んでいる。
値段は50円と格安だ。
カバーが無いこと、古いことを気にしないのであれば完璧。
きにしないのであれば。

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キレイな本もたくさんある。
そして何より掘り出し物が、キラリと光る。
倉本聰さんや、椎名誠さん、妹尾 河童さんなど、
なかなか異色の組み合わせにして、独特のラインナップだ。

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お金はしっかり払いましょう。
向かいは警察署だからね。
入れないと速攻で飛んでくるシステムなのかもよ。
50円の本を購入。
アンダーグラウンドな世界の通行料として、100円払ってきた。

またいこう、いい。
旭川で好きな場所が増えた。

☆星野 智哉☆

行ってこい言霊

まるでスピリチュアルなものに無頓着ではあるのだが、
『言霊』ってやつだけは昔から信じている。

言葉には神秘的な力が宿る。

人を喜ばせる言葉、傷つける言葉。
やる気にさせる言葉。

やっぱり言葉ってのにはなんかある気がするなぁ。

高校1年生のときに、初めて札幌でストリート活動を始めた。
道や公園で詩を書いて売っていたのだ。

「あなたを見て思いついたことを書きます」
筆を使って書くのが流行った時代。
また、キャッチーな絵を添えて
『君はひとりじゃない』みたいのが流行った時代。

私には人の目を見て、瞬時に書くなんて才能はない。
絵なんていうものも論外だ。
しかしながら、そんな手段を真っ向から敵視していた。

文字には言霊が宿るんだ。
考えて、考えて、書いて、消して、書いて、消して。
そうやっているうちに、少しずつ命が吹き込まれるんだ。

そのころから『言霊』というものを大切にし始めた。
冬の路上で1枚100円の詩を売る。
もちろん売れない。

横で店をひらく、ポストカード職人は、
この日も飛ぶように売っていく。

私のは、ただの藁半紙に、ただのボールペンで書いた汚い字。
こんなん買うほうがどうかしてる(笑)

1度、チンピラに絡まれ、
「てめ~、誰に許可とってんだ!」
「す…すいません、すぐたたみます。」

「たたみますじゃねーよ、何売ってんだ、ゴラ!」
「し…詩です」

「あっ?聞こえねーよ!何だ、これはよぉ~!」
「ゆ、夢です。僕の夢なんです」

と言い換えたのは、私の数少ない武勇伝だ。
そのチンピラさんは、そのあと私を散々脅し、
翌日、ジュースをご馳走してくれた。

大学時代も、
私は溝の口の駅前で詩を売る日々。
このころはもっとやりすぎてね~。

『使い捨て詩』と称し、やはり1枚100円。
読んですぐに、捨ててもらうという型破りスタイル。
ゴミ箱を設置し、丸めてポイ!

私が追い求めていたのは『文字が空間を漂う』感覚。
余韻を持って帰ってくださいと。
読み終わった、この紙には何も残っていませんと。
思いっきり自分の世界をぶっちぎったね。
この『使い捨て詩』は見事に売れなかった(笑)

1日中書いて書いて書いて。
時に警官に怒られて、時に酔っ払いにからまれ、
ようやく手にした売り上げは1800円。

その金を握りしめて、そのまま高架下の汚い飲み屋。
1日がビールと日本酒に消えていく。
カウンターで同じくストリートの連中と語る。

「おれ、言葉でな、人に鳥肌たてたいんだ」

不思議な力が宿る。
それは空気中をプカプカ漂う。

カウンターの隅っこ。
自信過剰の若者が酒臭く吐き出した夢は、フワリ線路へ。
はしり抜ける田園都市線の風圧に空を舞う。
静かなビル街を漂い、山の裾野。
私が見た事もない風景を見て回る。
いつの日か、ひょんな偶然で
カウンターで飲んだくれる私の元へ戻ってくる。

そう、信じている。

言葉には力がある。
だから、ビックマウスになろうとも夢を語る。
そうだなぁ。

私はケーブルテレビ大賞をとる。
奨励賞ではなくグランプリを。

行ってこい、言霊。

☆星野 智哉☆

尾道にて

広島から尾道へ。
尾道ってのはいいとこだ。
穏やかな海に気候も温暖。

きもちがいいなぁ~。

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早起きして海沿いをぶらぶら散歩。
釣りをしている人もチラホラ。

やはり醍醐味は現地の人と話すことだと思う。
職業柄、人に話しかけるのは全然照れくさくない。
釣りをしている優しそうなおじいさんの横へ。

「おはようございま~す、何釣れるんですか?」
「…。(無視)」

「いや~北海道から来たんですけど、暖かいですねぇ!」
「ちっ…。」

はい、早朝から舌打ちいただきました。

なんだい尾道!
もっとフレンドリーにいこうぜ!!!!

そうそう、尾道といえば
連続テレビ小説「てっぱん」のロケ地!
ここは本場のお好み焼を食べないと!

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「村上」というお店。
地元の人からも人気で、
インターネット上では「広島で1番うまい」なんて声も。

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さっそく、店のお母さんに焼いてもらう。
お好み焼ってのは、この待ってる時間も楽しいね。
これは「尾道焼き」っていって、ちょっと変わってる。
「すなずり」が入っているそう。
なんじゃ、「すなずり」って!?
聞いたら砂肝のことらしい。
しかもゴロゴロと結構量も多め。

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イエス、イエス、イエス!!!!!
これ、美味いわ~。
コリコリの食感とイカ天の弾力、それにキャベツの甘みが合わさって!
ソースをたっぷりとかけていただく!
ナイス尾道!

さて、食後も少し時間があったんでブラブラ。
色々な人が親切に教えてくれる。

「100m先がてっぱんのあのシーンで使われた場所だよ」
「あそこの堤防から海に飛び込んだんだよ」
「取材裏話ではねぇ…」

なるほどなるほど!
私も、ここがあのシーンのなんて大げさにやったけど、

てっぱんは一回も観たことなかった。

チーン。

☆星野智哉☆