TOP > ポテト日記 > 2011年10月13日

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男山直営の謎

月に数回、どこかのビジネスホテルに宿をとり、
その街の繁華街をぶらつくのが趣味。

羽を伸ばす。

いい言葉だ、その通り。
羽をバッタバタにばたつかせ、英気を養う。

帯広に函館に釧路に苫小牧。
でもやっぱり気楽にいけるのはススキノ。

札幌で「金富士」は外せない。
男山直営と書かれた暖簾、真相は謎だ。

ファイル 419-1.jpg

このブログでも度々登場していたのはススキノ店。
今回は狸小路店へ向かう。
こちらのほうが、色々な意味でディープ。
アーケードが終わっても、ひたすら歩き続けると現れる。
昭和情緒漂う界隈だ。

この金富士酒場は、美味く安い。
しかしながら…。

まったくもってオススメしない!!!

店主、超ぶっきらぼうだから覚悟して。
酒を頼まないとガン飛ばされるから覚悟して!

「ここは酒飲むとこだから、飲まん人は帰ってや」

この言葉いただいてフニャフニャになった友人がいるよ。
旭川だと馬場ホルモンが1番近いだろうか。
でもあの店のように客への「愛」はない。

この日は札幌ではしご酒。
先輩と3人でヘロヘロに酔っ払いながらも、狸小路を突き進む。

店に到着。
「いらっしゃいませ」なんて期待して無いけど、やっぱり無い。
空いている席をアゴ先でプイっとさされる。
こんなことで腹を立てる人は、金富士は無理だろう。

ファイル 419-2.jpg

ここは私の大好きなサッポロラガーが飲める店。
酒の強くない友人もいたので、ビール2本注文。

はい、なーーんにも言わず3本きたよ。

ここは酒飲むとこだからね。
けっ!!!

ファイル 419-3.jpg

気をとりなおし、焼き鳥。
まずはもつ串、タレででてくる。
味わいとしてはレバーだね、うまい。

味わいさることながら、このお値段。
なんと4本で220円。
がっはっは。
これだからやめられない、金富士よ。

ファイル 419-4.jpg

金富士で外せないのが「たまごやき」
油タップリで焼き上げるトロトロの逸品だ。

このへんで日本酒にチェンジ。
酒をかえると、お通しがつく。
これも金富士ならでは、良いほうのルール。

ファイル 419-5.jpg

日本酒にはこのおつまみ。
大きなアゲは、どのグループも必ず注文している。
酒はもちろん「男山」

しかし、直営とはどういうことなのだろう。
先輩とその話で盛り上がる。

「よし、星野、俺が聞いちゃる!」
「いやいや、それは怒られますって!」

「大丈夫、サラッと会計のときにさ!」

先輩はさっそうとレジへ。
私と友人は固唾を飲んで、その時を待つ。
この先輩、物腰も柔らかく、口調も穏やか。
話の切り出しかたも上手なので、期待大!

「ごちそうさまでーす、おあいそお願いします!」

はいよーと、店のお母さんが対応する。
その横では、例の親父が仏頂面で焼き鳥を焼いている。
ちらっと親父の位置をはかる。
ほんとうに、やるきだ…。

会計のお釣りを待つ間、
場つなぎ的にお母さんに話しかける。

「いや~、今日も美味しかったです」
「ありがとうございます」

おっ、いい感じにキャッチボールを始めたぞ。

「いつもは僕、ススキノの本店なんですよ」
「ああ、そうですか」

「こちらの2号店は初めてきました」

ははは、すっかり自分のペースにもってった。
親父もチラッと気にしているそぶり。
いいぞ、いいぞ。

しかし…、お母さんの様子が変だ。
イラッとした表情でレジスターを叩いている。

「あの暖簾にある男山直営って…。」
先輩の質問を遮るようにお釣りを突き出し、大声で一喝。

はっ?2号店?ウチは支店!しーーてーーん!!!

先輩は中ボス、オカンの会心の一撃をくらい撃沈。
よし、次は俺が行きます。
金富士、いいとこですよ。
声が枯れるほど夢を語った大切な場所です。

☆星野智哉☆