さぁて、怖い話しますよ~。
これは高校生の頃のお話。
部屋で寝ていたら、聞こえてくる赤ちゃんの鳴き声。
「んぎゃ~、んぎゃ~」
最初は、野良猫のケンカかと思った。
そんな声だしてる猫っているでしょ?その感じ。
最初は小さく…。
それがだんだん、大きく…。
猫どころか、息づかいまで聞こえる始末!
まずい!これはどう考えても幽霊だ!
目を開けようとしても、なぜか開かない!
手足は動くのだが、まぶただけが金縛り状態なのだ。
そうしている間にも、赤ちゃんの声はどんどん近づいてくる。
俺が何をしたってさ!!!
赤ちゃんに恨まれることなんて何にもないよ!!!
妹がまだ小さかったとき。
1度、自分の鼻につっこんだタマゴボーロを食べさせたことがある。
その程度だよ!!
俺は何もしていない!よせ、よせ、よせ!!
そう、心の中で強く念じたのだ。
すると…どうだろう。
すぐそばで聞こえていた泣き声がぴたりと止んだではないか。
それと、同時にまぶたの金縛りもすっと解け、
ゆっくりと、うっすらと目が開くことができた。
シーツは汗でぐっしょり。
ふう、こんな心霊体験は初めてだ…。
それにしても、なんだったんだろう。
目がゆっくりと慣れてくる。
あたりを見回すも特に、変わったことはない。
漫画とパンクのCDが散乱したいつもの部屋だ。
ん?
部屋の真ん中になにかある…。
なんだ…あれは…??
か…かご??
私の部屋の、真ん中に。
置いたはずのないかごがある…。
古臭いフォルムではあるが、新品に近いかごだ。
そのかごから、手足がバタバタしている…。
そう、赤ちゃんがいる。
自分の部屋 in 赤ちゃん!!
部屋はいつもどおり。
皮肉にも床に転げた『幽遊白書』13巻の横にだ!!
どうしたらいいのかわからない。
夢でないことは、はっきりとわかる。
これは、現実だ。
すると。
赤ちゃんがまた大きな声で泣き出したのだ。
『うんぎゃ~、うんぎゃ~』
真っ赤な顔で泣いているのに、その声はやけに遠い。
赤ちゃんがここにいるのに、泣き声は外から聞こえてくるかのようだ。
部屋の対角にある窓に目をやる。
すると…。
大きな女が赤ちゃんを見つめているではないか!!
その女の顔は神経質に落ち着きがなく。
ソワソワと執拗にまばたきを繰り返す!!!
その後の記憶はないんだなぁ~。
しかもその2日後くらいに思い出したんだなぁ。
夢か現実か。
私は現実だったと信じている。
なんでこんな話をしたかって?
りさちゃんのスッピンがその女性に似ていたからだ。
☆星野 智哉☆