TOP > ポテト日記 > ◇星野◇ > 怖い話~赤子~

記事一覧

怖い話~赤子~

さぁて、怖い話しますよ~。

これは高校生の頃のお話。
部屋で寝ていたら、聞こえてくる赤ちゃんの鳴き声。

「んぎゃ~、んぎゃ~」

最初は、野良猫のケンカかと思った。
そんな声だしてる猫っているでしょ?その感じ。

最初は小さく…。

それがだんだん、大きく…。

猫どころか、息づかいまで聞こえる始末!

まずい!これはどう考えても幽霊だ!

目を開けようとしても、なぜか開かない!
手足は動くのだが、まぶただけが金縛り状態なのだ。

そうしている間にも、赤ちゃんの声はどんどん近づいてくる。

俺が何をしたってさ!!!
赤ちゃんに恨まれることなんて何にもないよ!!!

妹がまだ小さかったとき。
1度、自分の鼻につっこんだタマゴボーロを食べさせたことがある。

その程度だよ!!

俺は何もしていない!よせ、よせ、よせ!!
そう、心の中で強く念じたのだ。

すると…どうだろう。
すぐそばで聞こえていた泣き声がぴたりと止んだではないか。

それと、同時にまぶたの金縛りもすっと解け、
ゆっくりと、うっすらと目が開くことができた。

シーツは汗でぐっしょり。
ふう、こんな心霊体験は初めてだ…。
それにしても、なんだったんだろう。

目がゆっくりと慣れてくる。

あたりを見回すも特に、変わったことはない。
漫画とパンクのCDが散乱したいつもの部屋だ。

ん?
部屋の真ん中になにかある…。

なんだ…あれは…??

か…かご??

私の部屋の、真ん中に。
置いたはずのないかごがある…。

古臭いフォルムではあるが、新品に近いかごだ。

そのかごから、手足がバタバタしている…。
そう、赤ちゃんがいる。

自分の部屋 in 赤ちゃん!!

部屋はいつもどおり。
皮肉にも床に転げた『幽遊白書』13巻の横にだ!!

どうしたらいいのかわからない。
夢でないことは、はっきりとわかる。
これは、現実だ。

すると。
赤ちゃんがまた大きな声で泣き出したのだ。

『うんぎゃ~、うんぎゃ~』

真っ赤な顔で泣いているのに、その声はやけに遠い。
赤ちゃんがここにいるのに、泣き声は外から聞こえてくるかのようだ。

部屋の対角にある窓に目をやる。

すると…。

大きな女が赤ちゃんを見つめているではないか!!

その女の顔は神経質に落ち着きがなく。
ソワソワと執拗にまばたきを繰り返す!!!

その後の記憶はないんだなぁ~。
しかもその2日後くらいに思い出したんだなぁ。
夢か現実か。
私は現実だったと信じている。

なんでこんな話をしたかって?
りさちゃんのスッピンがその女性に似ていたからだ。

☆星野 智哉☆