星野は確かにやめたはずだ。
ダイエットに専念すると、断ち切ったはずだ。
「山岡家をやめなければ…痩せられない。」
唇をプルプルと震わせ、涙した離脱宣言。
それから数ヶ月、このブログから山岡家は消えた。
そんな私を応援し、励ましてくれる温かい人々。
この人たちを悲しませることは絶対にできない。
裏切ることはできない!
決意した、私は、人間に戻る。
禁断症状は厳しいものだった。
焦点の合わない目で宙をボンヤリとみつめる日々。
「いいじゃねぇか。ばれないように食っちまえ!」と幻聴。
そうなると、まったく欲していない『小僧寿し』を買う!
そうやって、私は戦ってきた!
しかしだ…、衝動は止まらない、止まらない!!
。
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一日疲れた靴下を手に。
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濡れた犬を触り。
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柔道部の部室で。
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どうして山岡家が食べたくなる…。
フラッシュバックを伴うという話は聞いたことがある。
山岡家を食べたときの『多幸感』が忘れられないからだ。
食べていないと、安定しない。不幸に感じる。
しかし、私はじっと耐えた。
『よし乃』に『梅光軒』、『蜂屋』と試した。
もう、大丈夫だと思っていた。
そんな時、親しい友人が教えてくれた。
お前、寝言で『麺固め・脂多め』って言ってたぞ。
あああああああああ。。
あああああああああ。。。
あああああああああ。。。。
今すぐ、自分の部屋をあの臭いで満たしたい!!
床もツルツルにしたい!!!
太すぎる麺で窒息したい!!
。
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ふう。
山岡家のキャッチコピーをご存知だろうか。
『ガツンときて、クセになる』だ。
なるほど、『快楽』は脳が覚えていると言うことか。
睡眠欲や性欲のように、脳が欲しているということか。
「この手のものはね、再犯率が高いんですよ!」
どこぞのコメンテーターが言ってたな。
みんな、ごめん。。
暗闇にボンヤリと、綺麗だね。
人間やめますか?それとも山岡家やめますか?
☆星野 智哉☆