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旭川東宝の閉館

2010年8月31日(火)
旭川東宝が閉館。

これは寂しいなぁ~。駅前に映画館なくなっちゃったよ!

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だから仕事も早々と切り上げて、
『借りぐらしのアリエッティ』を観に行ってきた!

東宝最後の日に、ジブリ。ドラマがあるね!

私が最初に女の子と観た映画はジブリ作品だったな。
そう、「もののけ姫」さ。

小さな美唄市の映画館でさ。
別に付き合ってるとか、好きだとか、そういうのじゃない子と観たんだ。

後ろには大学生が1人。手前の席には初老のおじさん。

もう1つ、覚えていることがある。

初めて、女の子と映画館。
ドキドキするよね、チラッと暗闇に映しだされる横顔とか。

でもね、俺。

歯にポップコーンの茶色のとこが挟まって、さあ大変!

もう、気になりだしたら終わりだよね。
女の子が横にいる手前、大口あけて指でとれないでしょ?

舌先でチョモチョモと試みるけど、茶色いとこは深くささってる!

ああっ!指でとってしまいたい!

ほら、東宝と関係ない話になってきた!戻す!

ファイル 275-2.jpg

最後の東宝に行ってきたと!
思ったほど混んでなかったな~。。
最後だから、みんな来るのかと思ってたけど、薄情だ!

ファイル 275-3.jpg

見るもの全てが「ああ、最後なんだな」って思う。
映画が始まるまで、写真を撮る人も数人。

私の前に腰の曲がったおじいちゃんがいて、
勝手にこの人のドラマを思い、泣きそうになった。

どんな思いを胸に、今、スクリーンを見つめているんだろう。

観た映画のことを思いだしているのか。
それとも、共に観た人のことを思いだしているのだろうか。

感慨深い。

全くもって他人の人生が、小さな箱の中で、
1つのスクリーンを共有する。

その空間を心に刻む。忘れる。思いだす。
そんなことを繰り返しているうちに、
輪郭がボワーンとぼやけた、調度いい『思い出』に変わる。

映画の内容がぼやける。
共に観た、その人の顔がぼやける。

今日、空間がひとつ消える。

この映画を、そして空間を『思い出』にしよう。
ボンヤリと変えていこう。
そう決めてアリエッティを観た。

散々かっこつけて書いてきたが、

旭川東宝は今日が二回目だ。

☆星野 智哉☆